光の旅路(17)2015.4月号

「Tivoli/イタリア」


  Tivoli(ティヴォリ)はイタリアの首都、ローマから東に30km離れたところにあるという小さな街です。ティブルティーニ山の西側にあり、街の裾をアニエーネ川が流れています。

古代ローマ時代から保養地として知られ、ハドリアヌス帝や多くの貴族たちによって別荘(ヴィラ)が建てられました。

ヴィッラ・デステ(エステ家の別荘)、ヴィッラ・アドリアーナ(ハドリアヌスの別荘)のふたつが、ユネスコの世界遺産に登録されています。

ちなみにティヴォリ(Tivoli)は「チボリ」とも呼びます。

倉敷市にあったチボリ公園と関係でもあるかなと調べましたら、こちらはデンマークのコペンハーゲンのチボリ公園に由来しています。アメリカの「ディズニーランド」も同じくチボリ公園をモデルにしたともいわれています。今日では時代を超えて大人から子供まで世界中の人々から愛されるアミューズメントパークとなっているのはいうまでもありません。

デンマークのチボリ公園は1843年に国王が市民の娯楽施設を作ったことからはじまっています。この時のコンセプトが「階級の差別がなく、誰でも楽しめる場所」だったことから、ローマ時代の保養地であるティヴォリのことも知っていたのではないかと想像してしまいました。

 話は戻りますが、町の北側にはVilla Gregoriana(ヴィッラ・グレゴリアーナ)があります。もともと古代ローマ時代の別荘があった場所で自然公園となっており、落差100mもある滝や樹々が生い茂り広島の三段峡に似ていると歩いていて思いました。歩道も渓谷なので下っていくわけでスケッチ道具を背負って移動するのに大変な思いをしました。

この絵は街の北側にある自然公園の入口から描いたものです。ありふれた日常の風景であり、街を走りぬける子供たちに希望を託して描いています。

ティヴォリにエジプトやギリシアなど各地で見た建物や景色を再現したハドリアヌス帝。時が経って、今も人々がアミューズメント好きなのはローマ時代の記憶が組み込まれているからなのかもしれません。

 

 挿絵1 「陽のあたる場所」221×175㎝ 2007年制作 紙本彩色

挿絵2「nightfall」16×23cm 2013年制作 紙本彩色

挿絵3「Red star」16×23cm 2013年制作 板彩色