光の旅路(5)2013.4月号

「トスカ-ナの風」

挿絵1 「トスカ-ナの風」 175×210cm 2008年制作 紙本彩色 

 

日本ではよく知られたイタリアの州名「Toscana」トスカ-ナ州、州都はフィレンツェになります。

「トスカーナ」エトルリア人の土地が語源の意味となっています。

エトルリア人の話は長くなりそうなのでまたいつか考えることにして。

今回の目的地のサンジャミニャ-ノへはフィレンツェからバスで移動することができ、シエナにも近くフィレンツェから日帰り観光コ-スとしてオススメです。

イタリアの鉄道事情は日本みたいに発達しておらずダイヤも遅れがちで

当日欠便になることもあり、都市から郊外の町へはバスでの移動が主流です。

フィレンツェからシエナ行きのバスに乗って、トスカ-ナの丘陵を車窓から見ながら一時間弱の移動です。

サンジャミニャーノはトスカ-ナの中部に位置した町で

かつて72本もの塔が競い合うように建ち連ね、中世に君臨した貴族の富の象徴でした。

その塔の様子から“中世のマンハッタンとの別名も付けられるほどです。

現在は14本の塔が今にその姿を残しています。

町の中心にあるポポロ宮殿は美術館として利用されており、宮殿のグロッサの塔がこの町で54メ-トルと最も高く塔上からトスカ-ナの丘陵をパノラマで見渡すことが出来ます。

作品「トスカ-ナの風」はこの町から描いたものです。糸杉の連なる坂道にある大きな建物はワインのオ-ナ-の家なのか想像してしまいますが。

周辺の丘陵地帯は白ワインの産地としても知られています。

特徴は辛口で淡く黄色がかった麦わら色、野生の青りんごを感じさせるそうです、ラベルにサンジャミニャ-ノの文字を見つけたら飲まれて旅行の話のネタにしてみてください。

イタリアにはそれぞれの町で作られたワインがあり同じ町でも色々な味が楽しめます。

帰りのバスの車窓から見える塔の町は今見えているようにそこに存在していて貴族の旗でも掲げられていれば中世の映画が撮れそうな雰囲気が残っています。

brother sun sister moon(1972)」フランコ・ゼッフィレッリ監督

この映画は聖フランチェスコの生涯を描いた映画でサンジャミニャ-ノの町も撮影されています。この町と聖フランチェスコの故郷アッシジを訪れる方は映画を見られることをおススメします。

― Brother sun sister moon ―  原題は聖フランチェスコが神の創生物を讃美するときによく使った言葉です。

― 自然の中へ(神を想像する) そして心の中へ(神を想像する) ― 

挿絵2 「yellow star」 22.7×15.8cm 紙本彩色