光の旅路(3)2012.12月号

「イタリアの教会」

 

挿絵1「残響」 紙本彩色 215×170cm 2009年制作 再興第94回院展 出品作

この絵はイタリア/アッシジのサン・フランチェスコ聖堂を描いたものです。

アッシジの町はイタリア中部トスカ-ナ地方の小高い丘の上にあり、城塞で囲まれた町並みには中世の名残りを感じることができます。

ロ-マから列車で2時間かけアッシジへ。駅から旧市街へは5km離れていて、オリーブ畑が点在するのどかな風景とトスカ-ナの風を感じながら歩いてアッシジ旧市街を目指しました。

サン・フランチェスコ聖堂は、町の北西の斜面の上に建ち、斜面を有効に利用するため建物は上下二段に分かれています。上堂部分はゴシック様式、下堂の部分はロマネスク様式となっています。上堂内部はルネサンス初期の画家ジョットによる聖人フランチェスコの生涯、28の場面を描いたフレスコ画が、また下堂には『玉座の聖母と4人の天使と聖フランチェスコ』がそれぞれ一番の見所となっています。

ジョットが上部聖堂に描いたフランチェスコの生涯の中でも、最も有名な「小鳥への説教」。その精神は今も受け継がれていて、アッシジに訪れる人にとって特に神秘的な存在にしているのでは要因なのではないかと考えます。

アッシジに語り継がれてきた聖人フランチェスコに思いをはせながらサン・フランチェスコ聖堂を包む光を少しでも表現できたらばと描きました。

この建物も1997年に発生した大地震で壊滅的な被害を受けました。ジョットのフレスコ画も粉々に砕け修復不可能とさえいわれましたが、関係者の必死の努力によって見事に復興、復旧に成功し、2005年には世界遺産に登録されています。

挿絵2「ドゥオモ/matera

挿絵3サンタ・マリア・デ・イドゥリス教会/matera

この2点のスケッチは南イタリア/バジリカ-タ州マテ-ラの旧市街「サッシ」の教会を描いたものです。

この岩窟教会は渓谷の岩壁やサッシの擬灰岩を堀抜いた洞窟の中にあります。8世紀から12世紀にかけて東方からこの地に逃れててきた修道僧たちが、湿った暗い穴を祈りの場に変えたのが始まりであるといわれています。

 アッシジ、マテ-ラもイタリアでまた訪れたい場所の一つです。

町の中を散策していると、入り組んだ路地に迷い長い階段も登り降りとヘトヘトになりますが、そんな時はカフェを見つけてはエスプレッソで一服します。

マテ-ラの守護聖人はブルーナという女性です、イタリアには町それぞれに守護聖人が祭られているんですね。

今度はイタリアの守護聖人をめぐる旅でもしようかな。